2020-02-08 私 詩 私の色は赤なのだれかがそっと私に近づいて来る手を伸ばし赤い私を折ろうとするの私はじっと身構えた手がふれた 其の時私はチクリとさしたそうよ私はアザミなの 私の色は赤なのだれかがそっと私に近づいて来るハサミをもって私を元から切ろうとするの其の時私は思いっきりハサミを持つ手をチクリとさしたそうよ私はバラなのよ 私の色は赤なの野道のはせに春を待ち やっと開いた私の春をだれかが私を力づく ぐっと引き寄せ折ろうとするの私はそれにたえかねて首からぽろりと地におちたそうなのわたしは椿なの (山茶花は花びらが散ります。椿は花の形のまま朽ちます。この花は山茶花です。)